はちど

ボードゲームのレビューなど。

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ミラーズホロウの人狼の特異性と役職についての考察。

      2013/11/21

Hachiです。
前回の人狼ゲームについて、ナオユキさんのところでも
GM目線からの感想として記事があがっていました。
そこで上がってるポイントについて考えたことを
つらつらと書いていこうかと思います。

前置き:ミラーズホロウの特異性

前回の考察で書いた通り、
ミラーズホロウの人狼は日本でよく遊ばれる人狼ゲームとは
様々な点が異なっており、かなりトリッキーな部類に入ります。

「一般的な人狼」と比較したときに大きく異なるのは以下の点です。

  • 脱落した人の役職は公開される。
    役職まで知る真霊媒師が常に存在していると同義。
  • 占い師は占った人の役職を知ることができる。
    人狼は占い師を簡単に騙ることができない。
  • 人狼は村人を全員脱落させれば勝利となる。
    他の役職の脱落は人狼の勝利条件には無関係。
  • 昼の投票が行われない場合もある。
    主に同数票処理で起こり、決選投票は行われない。

よってゲームの展開としては、序盤は情報が枯渇していて、
ゲームが進めば進むほど場の情報が増えて村人が有利になるので、
人狼はいかに早く村人を駆逐するか、という流れが作られることになります。
「一般的な人狼」の、真実と虚実の混ざり合う高度な情報戦で
最終日までもつれにもつれた末に勝敗を決するゲームとは、
かなり毛色が違っていることがわかるかと思います。

また、同数票のルールから処刑が行われない場合があることや、
役職の能力で夜の脱落者なしおよび一度に2人以上の脱落も起こりやすく、
単純な手数計算がしにくいことも同ゲームの特徴かと思います。

こんなところを踏まえた上で、考察を進めていきます。

役職「少女」について

能力
夜の人狼ターン中に薄目を開けて見ることができる。
人狼に見つかった場合は即座に噛み殺される。

面白そうな役職だからと入れてみたらやけに強くて無双され、
急遽GMがルール変更を申し出るという伝説を残しました。

少女の能力

「人狼に知られたら死んでしまう」という強烈なデメリットはあるものの、
一夜にして全ての人狼を捕捉できる可能性があるという点で
占い師も裸足で逃げ出すほどの強さを持っています。

人狼側からすると、占い師と並んで一刻も早く見つけ出したい相手ですが、
必ずしも夜のターンごとに薄目を開けている必要はないことから、
発見できるかどうかは難しいところです。

少女の強さ:前回のゲームから

「私は少女です。人狼のうち1人を見ました。他は後で確認します。」
前回のゲームでは、こんなふうにCOされ、私が死刑宣告を受けました。

少女の最大の強さは、COしたときにあるように感じます。
全ての人狼が捕捉されていれば(対抗策がなければ)それまで、
一部しか捕捉されていなかったとしてもそのCOには人狼に対して
まだ能力を行使してやるという脅しを与えることができます。

またこれはほぼ人柱COでもあります。
人狼にとっては、噛まなければ見られてしまうので噛まざるを得ず、
村人の吊りと同じくらい大事な噛みの1手を
自身の勝利条件に直接関与しない役職噛みに使わされることになります。
対して人間チームの他の役職は、続けてCOがしやすくなります。
「人狼にとってまず脅威となるのはCOした少女だから、
今夜はこちらを噛みには来ないだろう」という流れです。

COされたらゲームの流れを持って行ってしまう、
それが少女という役職なのだと思います。

今後どうすべきか

  • 少女CO後の能力使用を禁止する。
    ⇒CO前に人狼を全て捕捉してつきつければいい。
  • 少女のCO自体を禁止する。
    ⇒捕捉できた時点で自吊りを促して遺言で指名。
  • 少女COおよび発見に対するペナルティを
    「噛みとして扱わない即死」とする。
    ⇒ゲーム性が変わるおそれがある。

いろいろ考えましたが…入れないのがいちばんかもしれません。
「薄目を開けて見るドキドキ感」が楽しいのは少女だけであり、
いるだけで場を荒らしてしまうバランスブレイカーのように感じます。
大げさではなく、この役職は存在自体が人狼を不利にしています。
ただでさえ人狼に不利なルールだと思われるミラーズホロウで、
生きている人狼を捕捉できる役職が占い師以外に存在するというのは、
一部の真性マゾ人狼しか喜ばないのでは、とすら感じてしまいます。

少女CO時の人狼側の対抗策としては、
少女を騙ったカウンターCOが有効かとは思いますが、
役職が公開されてしまうルールではいずれローラーで真偽が見えてしまい
時間稼ぎにしかなりません。それも大事ではありますが。

役職「キューピッド」について

能力
最初の夜、任意の2名に「恋人」の追加役職を与える。
その後、自身は村人となる。
誰が恋人であるかは、ゲーム中に口外してはいけない。

前回のゲームで色々と物議を醸した役職でした。

「自身は村人となる」とは?

前回は人狼側への譲歩(というか、正式ルールの採用)として
人狼チームの勝利条件を「ただの村人全員の脱落」としましたが、
それによって2ゲーム目の勝敗判定時に
能力行使後のキューピッドはただの村人か否かという点で
ちょっとした混乱が起きてしまいました。

そこで、続けて行われた第3ゲームでは
能力行使後のキューピッドは役職カードを村人と交換することで
その辺りのルールを明確化しましたが、
個人的にこの処理は悪くなかったと思います。

キューピッドは誰が恋人かをゲーム中に公言してはいけないルールがあり、
脱落時の役職公開でキューピッドが見えてしまいそうになったとき
「恋人言っちゃおうかな〜俺もな〜」と
なってしまいがちな流れを絶つことが同時にできるかなと。

それに、この処理がないと本当にキューピッドの立ち回りは
恋人役決めたらあとは野となれ山となれ、吊られようが噛まれようが、
ということになる可能性もあります。
ただの村人役を与えることによって、脱落してはマズい状況が作られ、
それなりにしっかりゲームに参加できる立ち位置になるのも良いです。

役職「盗賊」について

能力
役職の配布時に村人を2枚追加する。
盗賊は最初の夜に余った2枚の役職から1枚を選んで役職を交換してもよい。
ゲーム中の勝利条件は交換後の役職に従う。

ワンナイト人狼の「怪盗」の元になったと思われる役職。

盗賊でい続けるということ

キューピッドと同じく最初の夜でお仕事は終了してしまうのですが、
こちらはキューピッドと違い、盗賊であり続けることにも意味があります。

ミラーズホロウの手数計算のしづらさは、
複数脱落や吊り未遂によるズレが発生する可能性の高さもありますが、
盗賊が入ることによって余る2枚の役職の内訳がわからないからというのも
大きな要素となっています。
余った2枚の役職の内訳を知るのは盗賊だった人だけですから、
役職交換を行わずに盗賊のままでいれば
余り2枚の内訳をゲーム中に情報として提供できることになります。
さらに自分が盗賊であるということは、
疑うなら吊ってくれ、役職を見ればわかるはずだという説得力にも繋がります。

逆に、もし余った2枚の中に人狼がいたら、それと交換しつつしれっと
「盗賊でした!余った2枚は両方村人です!」とか言って
情報の攪乱に動くこともできます。
いずれにせよ盗賊以外の人間が盗賊を騙るメリットはあまりなく、
(仮に素の人狼が盗賊を騙ると盗賊が複数になるので、ローラーされます)
盗賊COのメリットはそれなりにあるものと思えます。

そういう意味では、前回のゲームで盗賊をキューピッドと同様に
「交換しなかった場合はただの村人と交換する」とする処理は不要でした。
盗賊は役職を交換して終わり、ではなく、
村に必要な情報を落とす役職として存在すべきでしょう。
そもそも村人になりたいのであれば、高確率で村人が
余っているでしょうから、それと交換すればいいだけですし。

役職「嫌われ者」について

能力
  • 昼の投票で最多同数票が2名以上いて、
    それらの票に保安官の票が含まれていない場合、
    代わりに処刑される。
  • 処刑される場合、脱落前に
    次の日の投票ができる人を任意に指名することができる。
    ここで指名した人が次の投票時までに全員脱落していた場合は
    その日の投票と処刑は行われない。

後者の能力は難しそうということで
今までのゲームでは使われていません。
初日吊り候補としてCOが促される不憫な職業ですが、
それは正しいのか、という考察です。

嫌われ者は吊られるべき職業か

そもそも、ミラーズホロウの人狼における人間側の役職持ちは、
人狼側の勝利条件達成を少しでも遅らせるために
「村人の代わりに脱落する」ことが求められます。

その中でも、吊られるための能力を持っているのが嫌われ者の役職であり、
本来吊ろうとしていなかった人物が吊れてしまうことを防ぐためにも
「嫌われ者を吊ろう(提案)」となるのは、仕方のないことだと思います。
ロジカルに考える人は思考がそこまで行き着いた末に提案しているのであって、
自陣営が勝つことを考えれば、自然なことです。
# あと、人狼ゲーム会に参加している以上、早々に脱落することは
# 凹むべきことではなく、村に貢献したという名誉をもらえる行動だと思っています。

しかし正直、2番目の能力が解放されていれば、
初日吊りの提案は躊躇する
のではないか、とも思います。

嫌われ者に「自分が吊られた場合、誰を指名すべきか」を考える時間がなく
初日吊りされてしまった場合、次の日の投票は
村にとって悪い結果を生んでしまう可能性があります。
嫌われ者は自信がついた段階で自らCOし、
「今日は俺を吊ってくれ!」と言えばいいのです。
# そのタイミングで吊り縄が余っていればですが。

もちろん、それまでに噛まれてしまえば能力は能力は使えなくなりますが、
それはそれで「村人が噛まれなかった」というメリットを生んでくれます。

2つめの能力を入れるだけで、嫌われ者は「吊るべき役職」から
「なるべく生かしておいて、よきところで吊る役職」となります。
脱落前提なのは役職の性質上仕方ないところですが、
初日吊りを回避するだけの理由は、しっかり持てるようになるでしょう。

初日の情報枯渇

こればかりはゲームの性質として仕方ないと思っています。
この点は人狼の騙りづらさにも通じています。
もし人狼が騙るリスクがそのままで、情報だけが出やすい状況になるとすると、
出てくる情報は全て人間側を有利にするということになり、
あからさまに人狼側が不利になってしまうからです。

そうでなくても、ゲーム中に出る情報は人間側のためのものであり、
人狼側は情報の少ない方が有利に動けるので、
そういった意味でも序盤の情報の少なさは仕方ないと思っています。

初日に出せそうな情報

初日は情報のなさを補うために保安官任命があります。
これについては、積極的に議論すべきだと思います。
前回の3ゲーム目のように、「彼でいいんじゃない?」という一言で
あっさり決められてしまうと、出る情報も少なくなってしまい
「情報を出させないために動いた人狼」と認識されても仕方ない状況が
作られてしまうので、村人ならば率先して時間をかけて議論すべきところです。

他には、先に述べた盗賊COも有効な手段かと思います。
わざわざ人狼が噛みに行くのは1手損になるから余程でなければ噛まれませんし、
人間側としても手数計算を阻む障害がひとつ消えることになるので、
序盤に出せる情報としてはかなり有益なものです。

騙れない人狼の救済

騙る行為にリスクが大きすぎて騙りに出られない人狼というのが、
前回・前々回を通して感じたこのゲームの人狼感です。

これはミラーズホロウの人狼の特色ともいえる部分だと思うので、
騙り人狼をするなら、タブラの狼準拠のルールにしてしまうのが
一番かなと思います。

あと、ちなみにですが、「同じ役職をCOした人が複数いて
その真偽がわからず、吊り縄が余っている」という場合に
どちらも吊ってしまうというのは役職ローラーといって
ミラーズホロウに限らず一般的によく使われる戦法です。

まとめ

  • 少女はいたずらに人狼を不利にする役職に見える。
  • キューピッドは恋人任命後にただの村人にカード自体を変えるのは有効。
  • 盗賊は自身が盗賊のままでいる意味がある。
  • 嫌われ者は初日に吊るとマズい理由をつけちゃおう。
  • 初日の情報不足と騙れない人狼はこのゲームのキモ。

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