はちど

ボードゲームのレビューなど。

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Secret Moon

      2016/01/19

Hachiです。

今回紹介するゲームは、日本が誇るボードゲームデザイナー
カナイセイジさんの同人サークル「カナイ製作所」の2014秋の新作です。
ここ数年人気のある正体隠匿系をカナイさんが作るとこうなる、
って感じの、シンプルで独特な面白いゲームでした。

ゲーム概要

正体隠匿系推理ゲーム。
このゲームは『ラブレター』と世界観を同じくしています。
大臣に隠れて秘密裏に逢おうとする姫と旅人。
それを阻止するために姫を見つけようとする大臣と兵士たち。
そして大臣陣営のふりをして姫と旅人を助ける女僧侶。

プレイヤーは、これらの役職からひとつをランダムに割り当てられ、
姫陣営は姫と旅人が最後まで見つからずに逃げ切ること、
大臣陣営は時間内に2人を見つけることを目指します。

ルール

重要事項

ゲーム中、各プレイヤーは嘘を吐いてはいけません。

勝利条件

姫陣営

以下のいずれかを満たす。

  • 3ラウンド終了まで敗北しない(逃げ切る)
  • 大臣を行動不能にする

大臣陣営

以下のいずれかを満たす。

  • 姫と旅人を公開された状態にする(見つける)
  • 姫を行動不能にする

役職カードの内訳

このゲームはカードによりランダムにプレイヤーの役職が決定します。
その役職により、ゲーム中での行動と勝利条件が異なります。
ゲーム中の役職は以下の通りです。

姫陣営です。
「何者か」と尋ねられた場合は、無言でいなければなりません。
旅人
姫陣営です。
「何者か」と尋ねられた場合は、無言でいなければなりません。
大臣
大臣陣営です。
「何者か」と尋ねられた場合は、
「ばかもん!わしが大臣じゃ!」と答えなければなりません。
できる限り大声で。
兵士
大臣陣営です。この役職のみ、複数存在します。
「何者か」と尋ねられた場合は、
「やあ、ご同輩」と答えなければなりません。
この役職は公開された時点で行動不能になります。
僧侶
姫陣営です。
「何者か」と尋ねられた場合は、
「やあ、ご同輩」と答えなければなりません。

セットアップ

各プレイヤーに「見た」チップを3つずつと
役職カード1枚をそれぞれ配ります。
役職カードは自分のものを確認した後、裏向きで置いておきます。
また、余った役職カード(ある場合のみ)と陣営チップを
卓の中央に並べておきます。

ゲーム中でやりとりされる各種チップは
プレイヤーの行動の結果を簡単に示すためだけのものであり、
このチップの有無が勝敗に直接影響することはありません。

その後、時間を区切って全員が顔を伏せます。
その間に「姫」と「旅人」の役職を持ったプレイヤーは顔を上げ、
互いを確認します。

ラウンドの処理

ラウンド開始処理

行動不能でない各プレイヤーに手番順カードをランダムに1枚ずつ配ります。
前のラウンドから手番順カードを持っているプレイヤーは
持っているカードをそのラウンドの手番順カードとして使用します。

各プレイヤーの手番

手番順カードの数字の若い順に、手元の手番順カードを公開して
以下のうちひとつの行動を行います。
なお、手番順の早さ/遅さで行動が制限されることはありません。

見る
プレイヤーを指名し、そのプレイヤーの役職を確認します。
その後、自分の持つ「見た」チップを1枚そのプレイヤーに渡します。
尋ねる
プレイヤーを指名し、「何者か」と問います。
プレイヤーは自身の役職カードに応じた回答をする必要があります。
指名する
プレイヤーを指名し、役職をひとつ宣言します。
宣言した役職が指名されたプレイヤーの役職だった場合、
指名されたプレイヤーの役職カードが公開されます。
間違っていた場合は指名されたプレイヤーが「違います」とだけ伝え、
ペナルティとして自身の役職カードを公開します。
隠れる/かばう
自身を含むプレイヤーを指名し、
指名されたプレイヤーは役職カードを横向きにします。
役職カードが横向きのプレイヤーは、
他のプレイヤーの行動の対象にとることができません。
攻撃する
役職が公開されているプレイヤーを指名し、行動不能にします。
パス
捨て札置き場に自分の手番順カードを捨てた後、
捨て札置き場から任意に手番順カードを1枚選んで受け取ります。
このカードは次のラウンドの手番順カードとして使います。

ラウンド終了処理

手番が一巡したら、ラウンド終了となります。

横向きの役職カードを縦向きに戻し、
捨て札置き場と未使用の手番順カードを全て集めてシャッフルします。
ラウンド中に配られたチップは全てそのままの状態にしておきます。

ゲーム終了

いずれかの陣営が勝利条件を満たしたらゲーム終了です。

感想

このゲームのすごいところは、正体隠匿系でありながら
正体を隠してはならないとルールで決められているところです。
しかし一部の例外を除いて一発で役職が判明することはなく、
これでも十分にゲームとして成立しています。

それどころか、各プレイヤー1ゲーム3回までという手番の足りなさから
陣営内で協力せざるを得ない状態が作られているのが巧いです。
他の正体隠匿系ゲームは、チーム戦と頭ではわかっていても
実際にプレイすると結局は自分VS相手陣営みたいに感じることも多いため、
このゲームのプレイ感は正体隠匿系よりも
普通の協力ゲームに近い印象を受けました。

また手番の少なさは行動の履歴を少ないチップで明確にできるという
メリットにもなり、このようなゲームにありがちな
「他のプレイヤーの行動は重要な情報だけど見えないから忘れやすい」
というデメリットを払拭することができています。

ゲームは短時間で終わりますが、その中で
「兵士が初手で適当に指して『何者か』って訊いたら大臣にどやされた」
「姫陣営としか判らない相手に『姫』と指名したら的中した(けど負けた)」
「自分が大臣で誰にも見られてない状態から初手でいきなり自分を守った」
など、人と役職と手番順が異なるだけで毎回違うドラマが生まれます。
この何度プレイしても飽きさせない仕組みづくりは本当にすごい。

チーム戦のゲームであるためプレイ人数は若干多めですが、
すごくよくできたゲームなので是非多くの人に
プレイしてみてほしいと思います。
人狼っぽさはほとんどないので、「人狼っぽい」のが苦手な人にも。

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