はちど

ボードゲームのレビューなど。

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Lords of Xidit(クシディット王国記)

   

Hachiです。

今回紹介するのはレジ・ボネセーの作品です。
十二季節の魔法使い」スピンオフ、あるいは「ヒマラヤ(帝国の商人)」のリメイク。
BGAに新しく入ったので早速レビュー書きたいとおもいまーす。

概要

プレイヤーは五人のイドラキスの一人として、
王国を旅し屈強の者共を徴兵し、
脅威の迫る都市を取り戻さなければならない。
財産を貯め、吟遊詩人に己の名声を謳わせ、
魔術師ギルドを建設して魔法社会の尊敬を集めるのだ。
勇敢な行いは必ずや報われるであろう!
クシディット王国記 日本語版(ホビージャパン)

ルール

セットアップ

卓上にボードを広げ、徴兵タイルと脅威タイルを規定数任意に選んで
タイルに描かれた数字と同じ数字のボード上の都市に配置します。
徴兵タイルは、タイルに描かれた色と同じ兵士フィギュアを置いておきます。
また、ボード上のランクボードに「地位・財産・名声」のタイルを
ランダムに1枚ずつ配置します。

各プレイヤーはプロットボードと衝立を1つずつ受け取り、
スタートプレイヤーから順にボード上の都市ひとつに自分のコマを置きます。
このとき、他のプレイヤーがすでにコマを置いている都市に
自分のコマを配置することはできません。

ラウンド処理

行動のプロット

各プレイヤーは一斉に、そのラウンド中に行う6アクションを選び
各自のプロットボードにプロットしていきます。
選択できるアクションは以下の通りです。

  • 都市から都市へ移動する
    • 紫の道を進む
    • ピンクの道を進む
    • 水色の道を進む
  • 都市で行動する(徴兵・脅威の排除・あるいはパス)
  • 何もしない

全員がプロットを終了するか、制限時間を設けてそれが過ぎたら
全員が一斉にプロットボードを公開し、次のフェイズに進みます。

アクションの処理

プロットボードにプロットされた行動をスタートプレイヤーから順に
1アクションずつボード上に反映していきます。
このフェイズに入った場合、すでにプロットされたアクションは
一切変更ができません。

移動

「移動」アクションを選択したプレイヤーのコマを、
プロットボードで指定した色の道に沿って隣の都市まで移動させます。
各都市からは必ず3本の異なる色の道が延びているので、
この行動が失敗することは決してありません。

徴兵

「都市で行動」アクションを選択したプレイヤーのコマが
徴兵都市にいる場合、そのアクションは徴兵となります。

プレイヤーは、プレイヤーのコマが止まっている徴兵都市に残っている
兵士フィギュアのうち、「最も価値の低い」ものを1つ獲得します。
フィギュアの価値は色によって決められており、
橙<緑<灰色<白<紫 の順に価値が高くなっています。
獲得したフィギュアは衝立の後ろに置いておきます。

徴兵都市に残った最後のフィギュアがなくなった場合、
徴兵タイルを脅威タイルのストックに戻し、
徴兵タイルのストックから1枚をセットアップ時と同様に
ボード上に配置します。
ここで出された徴兵タイルの都市は、この次のアクションから
即座に徴兵都市として機能します。

また、ひとつの徴兵都市でひとりのプレイヤーが
同一ラウンド中に徴兵を行えるのは1回のみです。

脅威の排除

「都市で行動」アクションを選択したプレイヤーのコマが
脅威タイルのある都市にいる場合、そのアクションは脅威の排除となります。

プレイヤーは脅威タイルの下部に描かれた色と個数のフィギュアを
ストックに戻すことで、脅威を排除します。
脅威タイルの上部に描かれた「地位・財産・名声」のうち2つを選び
報酬として獲得します。

地位(水色)の報酬では、その都市から点線で繋がった場所に
自分の色の塔トークンをアイコンの数だけ重ねて置くことができます。
各都市に塔が建てられる場所は1箇所ずつであり、
他のプレイヤーがすでに塔を建てている都市では
新たに塔を建てることはできません。
また、ひとつの塔の高さは4つが上限になっており、
それ以上高く塔を建てることはできません。

財産(黄色)の報酬では、ストックから金貨トークンを
アイコンの個数だけ獲得することができます。
得られた金貨トークンは全て衝立の後ろに置いておきます。

名声(赤)の報酬では、自分の色の吟遊詩人トークンを
脅威を排除した都市の周囲の道で区切られたエリアのいずれかに
分配して置きます。
中央エリア以外は枚数がわかるように置いておきますが、
中央エリアに置く場合は箱の中に入れ、枚数がわからないようにしておきます。

3人プレイの場合、このあとにダミープレイヤーボードの
「地位・財産・名声」のうちひとつを選んで1つランクを上げます。

報酬の獲得後、排除された脅威タイルを徴兵タイルのストックに戻し、
脅威タイルのストックから新たに1枚をボード上に配置します。
ここで出された脅威タイルの都市は、この次のアクションから
即座に脅威のある都市として機能します。

パス

徴兵・脅威のいずれかのタイルが配置されていない都市で
「都市で行動」アクションを行った場合、
あるいは明示的に「パス」のアクションがプロットされた場合は
何もせずに次のプレイヤーのアクション処理に移ります。

ラウンド終了処理

全プレイヤーのプロットされたアクションが全て終了したら、
ラウンドマーカーを1つ先に進めます。
このとき、ある一定のラウンド終了時には中間決算のフェイズが発生します。

その後、スタートプレイヤーマーカーを隣に渡し、
次のラウンドに進みます。

中間決算

各プレイヤーが衝立の中に所持している兵士フィギュアを
任意の個数だけ見せ合い、その個数が多かったプレイヤーは
兵士フィギュアの種類ごとに決められたボーナスを獲得します。

ゲーム終了条件

規定数のラウンド終了でゲーム終了となり、
得点計算になります。

得点計算と勝利条件

ランクボードの数字の順に、「地位」「財産」「名声」の得点計算を行い、順位をつけていきます。

  • 地位:配置した塔トークンの個数
  • 財産:獲得した金貨トークンの個数
  • 名声:吟遊詩人トークンによるエリアマジョリティ
    (エリアごとに吟遊詩人トークンの個数が多いプレイヤーに得点)

同点の場合は、最終的に手元に残っていた兵士トークンの多い方が
高い順位となります。

これらのランキングのうち、ランクボードの数字で”1″の順位が最下位のプレイヤー、
および”1″の最下位を除いた”2″の順位が最下位のプレイヤーは「脱落」となり、
この時点でゲームに勝利することができなくなります。
その2人を除いたプレイヤーのうち、”3″の順位がトップのプレイヤーが
このゲームの勝者となります。

感想

色々な要素がきっちり噛み合ってる良ゲーです。

自分の行動を事前に計画しておかなきゃいけないという前提があって、
マップ上には「何ができるか」の指針が全部公開されてるんだけど、
それを狂わせてくれるのが他のプレイヤーの行動という
最もままならないものだ、というのがとにかく悩ましくて楽しいです。
マルチプレイヤーゲームにおける最良のランダマイザとしての
「プレイヤー」というものを、最大限うまく活用できているゲームだと思います。

リソース(兵士フィギュア)は遅く取る方が有利にもかかわらず、
そのリソースを使った「脅威の排除」は早い者勝ちなので
価値の高いリソースを取ろうとして周回遅れを食らうこともあります。
しかし良いリソースはそれを跳ね返すくらいの価値もあるので
まるっきり無視するのが最良でもないのが難しいところ。

このゲームでいちばん楽しいのは独特の点数集計です。
“1”や”2″の順位は言ってしまえば「最下位にならなければいい」もので、
このゲームでの目標は”3″での順位で1位になることなのです。
しかしここでも「プレイヤー」というランダマイザが効果を発揮し、
「”1″の順位争いが熾烈すぎて注力しすぎたら”3″で負けてた」
なんていうことが往々にして起こります。
これは、それぞれの得点計算方法に関する情報の公開/非公開バランスが良く、
「結果的に誰が勝ったかわからない」状態が常に保たれていることも
理由のひとつかなと思います。

ただ、このゲームは本当にとことん見通しが悪いです。
他のゲームでは大抵、BGA等のネットゲームとして実装されると
卓上の情報がひとつの画面に集約されるため
実際の卓上より見通しが良くなるのが普通なんですが、
ことこのゲームに関しては、アイコンや数字がデザインの関係で
小さく描かれてしまっていたり、
フィギュアがただの色のついた丸いアイコンでしかなくなっていたり、
プロットボードの「移動」する道の色がモニタによっては判別できなかったり、
「BGAだから見通し良いですおすすめです」とは言えないのが少し残念でした。

あとこれは私が衰えてきただけかもしれないですが
12ラウンドの通常ゲームがクソ重く感じます。
やることはプロットしてその通りに動かしてというだけなんですが、
非公開情報が多かったり他人の行動を読んだりが毎度必要なんで
かなり頭を使い、2ゲームくらいで疲弊しちゃいます。
全員の6手先を読む必要があるからかな?
処理すべき情報の量が私にとってはちょっと多すぎるかな、と。

十二季節の魔法使い大好きマンとしては、
世界観を同じくしているというのと脅威タイルのデザインが
十二季節の魔法使いの使い魔カードのイラストだっていうのだけでも
全然余裕で遊べちゃいますけどね。

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